マーケティング基盤構築の「型」~サービス&コミュニケーションをつくる編~
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マーケティング基盤構築の「型」~サービス&コミュニケーションをつくる編~

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前回から数回に分けて、マーケティング基盤を構築する際の「型」について説明しています。前回は『データをつくる編』として、データ統合や追加データ取得についてお伝えしました。

今回は、マーケティング基盤構築の「型」の中の『サービス&コミュニケーションをつくる』についてお伝えしていきます。

マーケティング基盤構築の「型」
・データをあつめる
・データをつくる
・サービスをつくる(👈今回はこちら)
・コミュニケーションをつくる(👈今回はこちらも)

|サービスをつくる

統合されて、リッチ化されたデータをマーケティングに活用するために、いよいよデータアナリストが活躍するプロセスです。このプロセスで顧客分類(クラスタリング)や意味づけ(フラグの付与)をしていきます。

・顧客分類(クラスタリング)分析
ここでの分析は、これまでに「あつめて」「つくりあげてきた」顧客データを自社の事業に適した顧客分類のフレームワークに当てはめる作業です。自社の顧客にはどのようなロイヤルティ構造が存在しているのか?を明らかにすることが目的です。日用品を扱うサービスであれば「購買頻度」などの積極的な利用傾向がスコアとして重視されるでしょうし、購入頻度や利用頻度の低い、耐久消費財や旅行商品などであればSNS公式ページやオウンドメディアへの「接触頻度」や「コンテンツ閲覧の深度」がスコアに反映されるかもしれません。

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事業に応じて、顧客とのエンゲージメントを図る物差しは異なりますので、マーケターが顧客とブランドの関係性を理解し、データアナリストと共に顧客の行動特徴を分析していくことが必要です。ここで判断ミスを犯すと、顧客理解につながるどころか、顧客の好まないコミュニケーション施策を誘発してしまうため、慎重にデータを分析していくことが肝心になります。

これまでに作り上げてきた、リッチな顧客データがあれば、年代性別などの属性や、RFM分析に代表される購買額や購買頻度だけではない顧客分類が構築できます。コンテンツの閲覧行動データや、起点がメールなのかSNSなのかなど、接触チャネルも分析に含まれます。個客ごとにECサイトで買う商品カテゴリと、店舗で買う商品カテゴリの違いなども分析観点によっては重要なデータ項目になるでしょう。多様なデータから顧客分類を定義することで、その顧客分類ごとに最適な施策シナリオを用意できます。

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・ビジネス観点の評価
ビジネス観点での予測や評価も重要になります。各顧客クラスター内の潜在顧客数が判明することで、顧客クラスターごとのビジネス規模がわかります。さらに、クラスターAからクラスターBへ1人移動すると年間売上が○万円向上するということもわかってきます。そうなれば、クラスターAからBへの育成を促すCRM施策を実施するときに、想定移動人数(CV数)と、クラスターAとBのRFMの差分を計算すれば、自ずと売上成果の予測額まで算出できるようになります。
施策リストをビジネス面から評価し、施策実行する優先順位を決定できます。ビジネス観点においても、統合されたデータを持つCDPは有用な情報源となるでしょう。

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|コミュニケーションをつくる

・パーソナライズ
マーケティングにおけるパーソナライズとは、顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションの最適化を指します。ここで言う最適化とは、最適なコンテンツを最適なタイミングで最適なチャネルに配信することです。このようなデジタルコミュニケーションにおけるパーソナライズは以下のようなリストの組み合わせによって実現します。

▼パーソナライズに向けた元となるリスト例▼
● 顧客の所属するクラスター
● 所属クラスター~次ステップのクラスターに進む育成シナリオ(施策案)
● 個客別に最適な接触チャネル(メール、LINE、SNS、広告など)
● 個客別に最適な接触タイミング(曜日、時間帯など)
● 個客別の興味関心に適したコンテンツ(コンテンツやクリエイティブ)

上記のように、個客別最適化に必要な項目を設計します。CDPに格納された顧客IDに対して項目ごとにフラグを付与します。
例えば、ある顧客に対しては、「チャネル」は開封率が高いメールで、「タイミング」は日曜日の夜、「コンテンツ」はシズル感たっぷりのお酒と合うディナーのような具合ですね。顧客ごとにこのようなフラグを管理しておくことで、自動的に個別最適化されたCRMのシナリオが実行できます。=パーソナライズ化されたCRMが実現できます。

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・マーケティングツールの連携
顧客に最適化されたシナリオを作れたら、次にCDPの特徴的な機能であるツール連携を考えます。DWHなど、従来のデータ基盤との違いの1つとして、マーケティングツールと自動連携できるというのもCDPの特徴ですね。MA(マーケティング・オートメーション)ツールや、Web接客ツール、レコメンドツールなどとの自動連携が可能です。これらのツールは顧客とのコミュニケーションを実行する際に用いられて、俗に「発射台」と呼ばれたりもしますね。

CDPには、コネクターと呼ばれるツール連携機能が内蔵されています。
例えば、LINE配信したいユーザーリストをCDPから自動抽出してLINEのAPIに連携できます。LINE配信だけでなくメールやアプリプッシュなども自動化できますし、配信のコントロールであれば、MA側で一括して連携管理することも可能です。

仮にMAで配信制御を管理する場合は、CDPで新規のフラグを付与した顧客データをMAに連携します。新規フラグとはMAではキャッチできない店舗での「購買情報」やコールセンターへの「問い合わせ情報」などのオフラインデータが該当します。MAではCDPによりアップデートされたフラグに基づいて適切なシナリオを配信します。このような連携機能を活用することで、リアルタイム&自動的&個客別に最適化される仕組みを構築できます。

少し具体的に書きましたが、こういう情報があると、CDPがマーケティングの実行基盤であることをご理解いただきやすいのではないでしょうか。CDPは、DWHのようにデータを管理することが目的ではなく、顧客データを統合し、マーケティング施策を実行するための司令塔になります。分析対象のデータベースであるDWHと比べ、マーケティングに特化した機能が搭載されているのです。顧客への直接的なコミュニケーションを実行管理した上で、顧客情報の更新管理も一元化するマーケティング基盤=CDPです。

・CDPデータをCRMに活用すべき理由
せっかくツール連携の話に触れたので、発射台が独自に保有するデータとCDPデータの活用における決定的な差も解説します。
各発射台のツールも独自にCRM用の顧客DBを有していますよね。サイトにタグを設置してCookieベースで顧客の行動データを収集するタイプが大半です。アプリの場合はSDKを導入し、Webサイトのタグ同様にデータを収集します。ただし、これらのデータではリアル店舗などのオフラインデータが含まれないため、時として不十分になります。ここまで説明してきたように、リッチ化された顧客データを持つCDPのデータを活用することで、CRM施策の質が向上していくことは想像しやすいのではないでしょうか。CDPのデータを用いることで、個客別に最適なコミュニケーション施策が実行できようになります。

「データをあつめて」「データをつくる」ことで「サービスをつくり」「コミュニケーションをつくる」。わたしたちが、数々のプロジェクトで実践して得た『マーケティング基盤構築の型』が皆さんの何かヒントとなれば幸いです。

▼関係のあるnoteはこちらです▼

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✏この記事の著者✏

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小畑 陽一(オバタ ヨウイチ)
株式会社UNCOVER TRUTH 取締役 COO
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music.jpやルナルナを手がけるエムティーアイ社出身。ソリューション事業責任者として、大手企業向けモバイルサイト構築ソリューションで、国内ナンバーワンのASPサービスを展開。2014年、取締役として株式会UNCOVER TRUTHの取締役COOとして経営に参加。経営・事業戦略とマーケティングを管掌。ad:tech Tokyo / Kyushu、宣伝会議、MarkeZine、Web担当者フォーラムなど講演活動多数。
著書:『ユーザー起点マーケティング実践ガイド』(CDP専門書籍)

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