
マーケティングにおけるAI活用~CDP活用なら「予測型×拡張型」AI~
こんにちは。DXnoteです。
DXnoteでは、企業のDX推進に貢献するため、データ基盤(DWH/CDP)・マーケティング基盤(MA/接客など)の側面から情報発信をしていきます。
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|注目度が高まるAIの活用
昨今、さまざまなデータを取得できるようになってきたことで、マーケティングへのデータ活用もより活発になってきていますが、最近は、さらにマーケティングを加速させるための手段の一つとしてAI(機械学習)の活用に注目が高まっていますね。
Google Cloud AutoMLやDataRobot、Sony Prediction Oneなどに代表される、プログラミングの知識がなくても精度の高い予測を実現できるAIプラットフォームが続々誕生し、手軽に利用できるようになってきたことも、注目を加速させた一つの要因ではないでしょうか。
これまで培った担当者の長年の勘と経験に頼る属人的なアプローチだけではなく、自社で保有しているデータを活用し、顧客行動を予測する環境を整え始めている、もしくはすでに整えている企業が増えてきているように感じます。
|AIの活用タイプ
野口竜司氏の著書「文系AI人材になる」の中でまとめられているAIの活用例「機能別4タイプ」×「役割別2タイプ」のうち、私たちのnoteでも頻繁にお伝えしている「CDP」を活用するうえで、マーケティングを加速させるために有効なAI活用タイプとして取り組みやすいものが「予測型×拡張型」のAIです。
CDPがあることで、顧客の属性やオンライン・オフラインの行動データが集約・集計されます。その顧客統合データをもとに顧客の行動特性を可視化できることはこれまでもお伝えしてきました。
CDPには顧客の属性情報だけでなく、Webサイトやアプリなどの詳細で膨大な行動データも紐付けられていますから、顧客の行動パターンが無数に存在しています。人力でそのデータを用いて、一人ひとりの顧客に対して精度の高い予測結果を導き出すことは不可能に近く、とても現実的ではないですよね。
ですが、AI(機械学習)は、顧客に紐づく複雑かつ膨大なデータから法則を導き出し、顧客の未来の行動を高い精度で予測することが出来ますし、得意です。
例えば「1ヵ月以内に購入してくれそうな人」を予測できれば、全配信の場合、多くのコストがかかる施策(クーポン、リマーケティング広告、LINEなど)で、購入しそうで購入していない人(迷っている人)を検知→検討中のまま購入を断念してしまう前にクーポンなどをオファーできたりしますよね。とはいえ、ここで重要なのはクーポンをばらまくのではなく、購入の可能性が高いユーザーにのみ販促費をかけることで、効率的な購入促進ができるようになるよ、ということです。
出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:147
ほかにも、サブスクリプション系のサービスであれば「解約しそうな人」を予測し、解約確率が高い「解約予備軍」には個別の電話フォローや特別クーポンの発行といったアクティブサポート(企業側からの積極的なサポート)を実施することで解約を抑止することにも使えたり、解約確率に応じてクーポンのランクを変更することでコストの効率化も図れます(直接施策)。また、継続利用者と解約者との行動パターンの差分を見つけられれば、UIの見直しやコンテンツの追加などを行うことで、そもそも解約予備軍にならないようにする改善施策に活かすことも可能ですね(間接施策)。
出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:147
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次回は、CDPを利用しながら「顧客を予測する」ことを目的としたAIの活用例を中心に、具体的なプロセスを交えてお伝えしようと考えています。それではまた次回のnoteでお会いしましょう!
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✏この記事の著者✏
小畑 陽一(オバタ ヨウイチ)
株式会社UNCOVER TRUTH 取締役 COO
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music.jpやルナルナを手がけるエムティーアイ社出身。ソリューション事業責任者として、大手企業向けモバイルサイト構築ソリューションで、国内ナンバーワンのASPサービスを展開。2014年、取締役として株式会UNCOVER TRUTHの取締役COOとして経営に参加。経営・事業戦略とマーケティングを管掌。ad:tech Tokyo / Kyushu、宣伝会議、MarkeZine、Web担当者フォーラムなど講演活動多数。
著書:『ユーザー起点マーケティング実践ガイド』(CDP専門書籍)