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CDPの落とし穴シリーズ~事業のグランドデザインがない~

こんにちは。UNCOVER TRUTHの小畑です。

DXnoteでは、企業のDX推進に貢献するため、データ基盤(DWH/CDP)・マーケティング基盤(MA/接客など)の側面から情報発信をしていきます。
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今日はCDPの落とし穴について、みなさまと一緒に考えたいと思います。

CDPの書籍を発売してからというもの、おかげさまで今までの何倍もの企業さまからご相談をいただくようになりました。本当にありがとうございます!そんな中で、"CDPがあれば何かできるんじゃないか?"という、いわゆる魔法の杖として期待をいただくことが同時に増えました。

目的不在でとにかくCDPを導入するんだという目的と手段が入れ替わってしまっているときは、キッパリお断りすることもあります。(仕事は欲しいのでためらいますが・・・)今日はそんなお話をさせてください。

今後も、僕が今までに出会ってきた成果が出ないパターンを今回に限らず、何回かに分けてご紹介していきたいと思います。

|CDPを導入しても成果が出ないパターンあるある~事業のグランドデザインがない~

CX戦略(事業)のグランドデザインがない・・・
説明不要かと思いますが、「まずは箱を作りましょう!」というケースです。デジタル活用してどんな価値をお客様にお届けしたいのか?を、まず最初に考えるべきですよね。

DXプロセス

上記はとっても大雑把なフローチャートですが、弊社の多くのクライアントが通る「DXプロジェクト」のプロセスになります。最上位に企業ビジョンと書いていますが、実際のところは、『売上やシェアの停滞』『顧客基盤の不活性化』等の経営課題が該当します。

図の上段を飛ばして、まず箱(CDP)を作りましょう!となっている場合は、ひとまずCDPを導入して、わからないけど現状を「なんとかしてみて!」となっている実情があります・・・。

ここで大事なのは、どんな理由でDXプロジェクトが発足したにせよ、下記図の2番目『顧客への提供価値の定義』ができてないと、CDPもマーケティング基盤(ツール類)も、ちゃんと選定できないですよ!ということです。それぞれのプロセスは数珠つなぎであり、クリティカルパスでもあります。

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とはいえ、実現したい世界観=「DXビジョンやCX戦略」が決まっていないけど、CDPは導入したいという相談案件があります。
そうですね・・・はい。

僕も商売としてはおいしいお話しなのですが、ここに関しては、正義感を持って「まずは、1と2のプロセスをやりましょう!」とお返しするようにしています!!
CDPから作り始めちゃったら、まるで箱物行政の第三セクターになってしまうかもしれません(おそろしい。。。)

第3セクター失敗

さらには、この事業変革のグランドデザインに向けて、必要な環境やツールをそろえていくので、キャパシティプランニングも異なってくるし、必要な機能も異なります。グランドデザインが無いとなれば、そもそも適切な基盤ツールの選定ができませんよね

もしも、事業変革のビジョンがグローバル規模であれば、グローバル対応のツールを選び、CDPやMAに取り込める顧客データのレコード数上限などキャパシティの考慮も必要です。はたまた、ごくわずかな顧客数を対象にロイヤルティプログラムに特化した精密なコミュニケーションが取りたかったら、やはり選ぶツールも異なるでしょう。

モノゴトの出発点はやはりミッションやビジョンを明確にした上で、CX戦略をカタチにした事業のグランドデザインからスタートします。

事業のグランドデザインを実現していくための手段のひとつであるCDP
などのマーケティング基盤は、あくまで戦略によって変わるモノであるので、ここであらためて強調しておきたいと思います。

|グランドデザイン作りにデータを利用するコツ

ここで紐解くのは事業戦略の作り方ではありません(僕は戦略ファームではないので)あくまでマーケティングのDXによる事業プラン(グランドデザイン)を描くときのデータ活用について触れておきます。

マーケティングにおけるDXで考えるべきことのステップ
①:顧客体験を刷新したり拡張したりするサービスの設計
②:価値の変化による顧客の望ましい変化(新規、既存、LTVなど)
③:それらの結果得られる収益モデルとざっくり規模間(妄想含むw)

各社で違いはありますが、まとめると上記のようなアプローチであることが多いです。この3段階の中で2と3には既存のデータを活用することをオススメします。(あくまで、マーケティングにデジタルを活用する「マーケティングDX」に絞った話として聞いてください)

|例

先ほどのDXのプロセスとステップの図を改めてお見せしておきます。これを元に例を通して考えてみましょう。

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マーケティングにおけるDXで考えるべきことのステップ
①:顧客体験を刷新したり拡張したりするサービスの設計
②:価値の変化による顧客の望ましい変化(新規、既存、LTVなど)
③:それらの結果得られる収益モデルとざっくり規模間(妄想も含)

1.サービス設計で「会員アプリ」を提供するとします。
ECでもお店でも共通で利用できる会員証でポイントプログラムも搭載できます。閲覧履歴や購買履歴や会員属性に合わせたオススメコンテンツがウリだとします。

2.顧客の望ましい変化を定義します。
お店でアプリDLをオススメされDLしてみると、購入した商品の使い方やTIPS、ユーザーコミュニティまであったとします。嬉しくて投稿するとコミュニティでファン同士の情報交換が活性化され商品の利用も促され、商品の体験価値が高まります。またポイントも溜まり、リピート購入もECでサクサクできました。新商品のシークレットセールなども考えられるかもしれませんね。
このようなサービス強化により、顧客ロイヤルティの向上を図りリピート客が増えたり、顧客のLTVが向上できる望ましい変化を得られるとしましょう。

3.↑2.の変化により得られる収益シミュレーションをします。
新規顧客のF1(1回目購入)からF2転換(2回目購入=リピート)を生み出したり、定期購入など長期間利用する顧客の創出(LTV向上)を成し遂げたとして、各段階をステップアップしていく顧客が②の施策によりどれだけ増加して、結果的に売上がどのくらい伸びるのか、収益インパクトの想定シミュレーションを出します。

上記のように収益改善の想定ができてくると、どのような方向性で進んでいくのか?が明確になります。いよいよ必要な環境や施策などもイメージしやすくなりますね。では、上記のような場合、どのようなデータの活用ができるのか?を次から見ていきましょう。

|データ活用の具体例

それでは上記の②と③で具体的にどのようなデータ活用ができるか見ていきましょう。データを根拠にすることで、モノクロ写真のようなDXの企画が、とても色鮮やかで鮮明な目標へと変貌します。

9セグ実数サンプル

上記は9セグマップに実数が入ったサンプルデータです。
各クラスタ(ユーザー分類別の象限)に「売上・顧客単価・人数」が入ります。(事業によって計測対象の指標は変わり思ます)

1.対象を決める
まず各クラスタのユーザーボリュームに注目してみましょう。F2の積極行動有りのクラスタにはかなりの人数がいます。施策を実施するときは「施策対象の量と変化の容易さ」で優先度を判断すべきです。

積極行動がある上部のユーザー層は一般的にメルマガの開封率が高かったり、サイトやアプリへの来訪頻度が高い(積極的)ため、実施施策への反応が得られやすく、売上へのインパクトを出しやすい傾向があります。つまり、対象ユーザーのボリュームと行動変容の容易さを兼ね備えているクラスタは「F2・積極」となります。

2.目標設定
対象者が決まったら、目標設定ですね。
皮算用シートと僕は呼んでいますが、下記のような(実物は他にも色々な機能があります)シミュレーションシートを作成します。各クラスタに対して施策を実施して顧客を移動(リフトアップ)させると、どのくらい事業収益が変化するか把握できます。

9セグ計算シミュサンプル

「変数」と書かれた黄色い枠に、施策実施による想定インパクト(何%の顧客が次のクラスタへリフトするか)を書き込み、予算目標を立てるための参考に使うこともあります。

このようにデータをきちんと活用することで以下のようなことができます。
・顧客の可視化(クラスタリング含む)
・施策ターゲットの選定と優先度決定
・収益シミュレーション

さらには、データという根拠を用いて目標設定までできることでチームのコミットメントも引き上がりそうですね!

|まとめ

CDPをなんでもかなえる魔法の杖のように認識されている方も多く見受けられますが、モノゴトの出発点はやはりミッションやビジョンを明確にした上での、CX戦略をカタチにした事業のグランドデザインからスタートします。

事業のグランドデザインを実現していくための手段のひとつであるCDP
などのマーケティング基盤は、あくまで『その戦略』によって変わるモノであるのを、ここであらためて強調しておきたいと思います。

先ほど申し上げた通り、CDPは魔法の杖ではありません。
ですが、使い方によっては現実と未来を映し出す鏡として活用できます。
箱を作ることを目的とせず、CDPの活用方法をたくさん学び、自社にあったデータ環境を手に入れてください。

それではまた、次のnoteでお会いしましょう!

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