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CDP統合データ活用! 顧客理解に向けた初期分析4つのステップ(詳細編)

こんにちは、DXnoteです。

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前回はCDP統合データ活用への第一歩『顧客理解に向けた初期分析4つのステップ』の概要についてお話ししました。

今回は前回の内容を元に、図解と実際のデータを交えながら順に細かくご紹介していきます。専門的な内容も多くなっていますので、過去の記事と合わせて、ご活用ください。

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|① ID保有率の把握

データと顧客がどの程度紐づいているのか?
統合顧客(すべての顧客)における各種データソースの紐づき率である「各種ID保有率」を確認します。CDPでは各種データを集めるため、一つのデータしか紐づかない顧客、複数のデータが紐づく顧客が存在します。

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出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:88

「各種ID保有率データ例」(上図)のように各種データソースごとにIDを識別できるようにして、IDの保有数や保有率を集計していきます。表の中の比率は全体の統合顧客における各割合を示しています。(ID同士の重複が含まれているため、足し上げると100%を超えます)

各種データソースのID保有率をみることで、統合顧客のうち各種データソースに紐づく顧客がどのくらい存在しているか把握します。

IDごとの重複率の確認用に「CDPにおけるID状況」(下図)のような図を描いて全体像を把握することをおススメします。

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出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:88

|② 属性の把握

性別・年齢や居住地域などの「属性」を把握します。すでに把握している場合は次の「ファネル」に進んでも構いませんが、CDPには新しく取得した顧客データが次々と蓄積されていきます。

キャンペーン施策などを実施したときにどのような顧客を獲得できたのかなど、顧客属性に変化がないかを日ごろから確認をするのをおススメします。

属性データは、デモグラフィックデータ(性別・年齢・居住地域など)、配信希望メルマガのパーミッション(許可)など、顧客が会員登録したときに取得できるデータが中心となります。企業によっては趣味・嗜好性のデータも取得しているかもしれません。

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出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:89

CDPのデータでは、該当するデータが存在しない顧客もいるため、そのデータの値が「NULL(欠損値)」になることも少なくありません。そのため、NULLは除外して集計し、比率をメインに比較しましょう。とはいえ、比率にばかり目が行き、実際の顧客数は数人しかいない・・・ということもありますから、実数もグラフに記載することをおススメします。

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出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:90


例として、上図に性別ごとの顧客数と売上を集計しグラフ化しました。
顧客数は女性が6割を占めている。一方で、売上は男性が6割を占めている。
ことがわかります。

このように「各指標は、どのような顧客で構成されているか」を把握します。デモグラフィックデータ(性別・年齢など)は、上記の100%積み上げ横棒が分かりやすいですね。

アンケートデータ(複数回答が可能)は、重複回答も発生するため下図のような項目ごとに比率をグラフ化するとよいと思います。

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出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:90

他にも、「料理好き」や「スポーツ好き」などのCookieベースのオーディエンスカテゴリや、他社データと連携したアンケートデータなどもあるかもしれません。

いずれにせよ、『人となり』がわかるデータをこの段階で把握しておいて、
後に「この行動をしてくれる人たちはどんな人なんだろう?」と思ったときに、属性データをクロス集計できるようにしておきたいですね。

|③ ファネルの把握

例として、顧客を『潜在・見込⇒新規⇒リピート⇒ロイヤル、離反・休眠』
を元に、自社のサービス特性に合わせたサービス利用のステップに当てはめてみてください。

例えば、
化粧品・健康食品では「体験・モニター⇒通常購入⇒定期購入」
保険では「資料請求⇒契約⇒追加契約」などのステップが考えられます。

ファネル別に顧客数・売上構成をみることで、自社サービスを利用する上でのステップ・フェーズがどう構成されているか、CRMを行っていく上でどのような区切りが適切か整理しましょう。フェーズの数に制限はありませんが、はじめは管理しやすい数をおすすめします。

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出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:92

さらに、フェーズを分析するにあたって注意したいことがあります。

注意したいこと①
~個客には、必ずどれか1つだけファネルのフェーズが付与されること~
「潜在・見込顧客」と「新規顧客」の両方が1人の顧客に付与される状態にしないこと。もしくは、どちらの条件も満たされるようなフェーズ設定にしないようにしましょう。

注意したいこと②
~フェーズごとの線引きが明確。判別がつかない顧客をつくらないこと~

「ロイヤル顧客」のフェーズなどで、アンケートやNPS(Net Promoter Score:企業の製品・サービスに対する推奨度)の値で判断する条件を設定した場合。そもそもアンケートやNPSに答えていない顧客は正確に判別できなくなってしまいます。アンケートやNPSを使って顧客の忠誠度を測ることは良いと思いますが、ファネルを判別する条件の線引き自体は、明確であることをおススメします。

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出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:92

|④ 行動の把握

トランザクションデータ(アクセスログ、メルマガログ、購買データなど)にあたるデータから行動を把握します。トランザクションデータは「更新頻度が高く出来事の詳細を記録したデータ」であり、日々大量のデータが更新されていきますね。

CDPで統合顧客のデータマートを作成する際、トランザクションデータは膨大なレコード数になっていることが多く、考えなしに顧客に紐づけないようにしたいところです。

トランザクションデータを顧客に紐づけるには・・・
「〇〇という行動をしたか」
「〇〇を何回したか」
というデータ項目でまとめて紐づける必要があります。

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出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:93

上図には、
「顧客マスター(会員リスト)」のマスターデータと
「アクセスログ」のトランザクションデータがあります。

CDPで統合顧客データマートを作成するにあたり、1顧客に1レコード(行)のみで構成しているため、トランザクションデータを集計します。

顧客ID「AAA」のみに着目すると、アクセスログは3レコード存在しており、
「TOPページ」「特集TOPページ」「商品一覧(バッグ)」を閲覧しています。

Webサイトでの行動を
「Web訪問回数」(Webサイトに何回訪れたか)
「特集TOPページ閲覧回数」(特集TOPページを何回閲覧したか)
というデータ項目を集計しています。

このようにトランザクションデータを顧客ごとに集計していきますが、
この場合「集計対象期間」「回数」の条件でデータ追加するのをおススメします。

「Web訪問回数」は、全期間だけではなく、直近3ヵ月、半年、1年など、顧客に紐づけておくことで、例えば、直近もWebサイトに来てくれているか?という「アクティブ性」を測る指標にもなります。

「集計対象期間」は、各種データソースごと、集計対象期間ごとの行動有無を集計し、下図のように集計&可視化します。

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出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:94

上図のグラフを見ると、統合顧客のうち60%がWebサイトへ訪れたことはありますが、直近3ヵ月ではWebサイトへ訪れたのは全顧客のうち10%であることがわかります。CRM施策では顧客にコミュニケーションを取るときに「顧客のアクティブ性」を意識する必要があるため、このように顧客がどの頻度でWebサイトに訪れるのかを把握する必要があります。グラフでは「1週間、直近1ヵ月、直近3ヵ月、…、直近3年、全期間」という頻度で集計していますが、自社のサービス特性に合った頻度で集計するとよいでしょう。

続いて「回数」ですが、各種データソースにおける特有な行動の回数ごとの分布をみます。先ほど同様「アクセスログ」をデータ対象とし「Webサイトへの訪問回数」で集計してみましょう。

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出典 著者名:小畑 陽一 (著), 菊池 達也 (著), 仁藤 玄 (著) 書名:ユーザー起点マーケティング実践ガイド 出版社:マイナビ出版社 出版年:2021 該当ページ:95

「Webサイトの訪問回数」では多くの企業が1回訪問の比率が高い状態のため、リピートしてくれるかも重要な指標となります。訪問回数ごとの顧客分布を集計し、Webサイトへの再訪状況を把握しましょう。訪問回数ごとの顧客数の差を見ることで、2回目訪問のハードルの高さなど、行動量における閾値を把握できます。

ここでは「アクセスログ」を例にとりましたが「購買履歴」や「メルマガ開封・クリックログ」なども同様に「集計対象期間」「回数」に分けて、行動量の分布を見ていくとよいでしょう。
また各種データソースも混ぜながら「集計対象期間」「回数」をクロス集計することで、施策につながる分析もできるため、このようなデータ項目を準備し、把握しておくことがCDP活用のためには重要です。

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今回は『各種ID保有率』『属性』『ファネル』『行動』ごとに「どのような顧客がいるか」を把握する方法を見てきました。一つひとつはシンプルな集計であり、すでに把握しているという方も多いと思います。とはいえ、ここで把握していくデータはCDP活用の礎になる部分であり、今後のnoteでもお伝えしていく予定の「顧客分類」や「顧客育成」でCDPを活用していくためにも、とても重要なポイントとなります。

今後も皆さんのお役にたてる情報をお伝えしてければと思います。
引き続きよろしくお願いします!

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