#DX促進事例:デジタル技術と写真を用いて、豊かな時間を提案する富士フイルム(前編)
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#DX促進事例:デジタル技術と写真を用いて、豊かな時間を提案する富士フイルム(前編)

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今回はさまざまな企業のDX担当者にDXの取り組みやこだわりについて伺う企画として、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社の藤堂さんに、お話を伺いました。(聞き手:株式会社UNCOVER TRUTH 取締役 COO 小畑)

藤堂正寛 氏
1973年福岡生まれ 1997年 富士フイルム入社。写真事業部門でデジタル関連業務を担当し、 写真店・写真スタジオのデジタル化推進から、企業とのデジタル機器をベースにしたシステム構築に11年。06年営業開発室にて、WEBサイトの運営、開発を経て、事業部を横断したデジタルマーケティング等富士フイルムのデジタルマーケティング推進を12年。現在、FY21/2月より、富士フイルムホールディングス(株)より出向で、富士フイルムイメージングシステムズ(株)の国内直販EC統括マネージャーとして業務。

国内トップクラスの写真・映像・情報サービスとして事業を展開する富士フイルムイメージングシステムズが、DXをどのように考え推進しているのか、ぜひご一読いただければと思います。

|プリント商材ではなくその先の豊かな時間を売っている

ーーまずは藤堂さんが御社でどんなことを担当しているか教えてください。

藤堂:広域量販・特販事業部にて、国内の富士フイルム直販のプリント商材部門を担当しています。具体的な製品を挙げると、「フォトブック」や壁に写真を飾れる「WALL DECOR」などです。最近は「フォトカレンダー」も売り上げが伸びている人気商品ですね。

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富士フイルムイメージングシステムズ株式会社 藤堂氏

ーー我が家でも毎年「フォトカレンダー」作っています。

藤堂:ありがとうございます。「フォトカレンダー」は12月になると「そろそろ来年の分を作ろう」となりますよね。ずっと自社商品を飾る場所を確保してもらえるってなかなかないことなので、すごく嬉しいです。

ーーリピート率が高そうですね。

藤堂:「フォトカレンダー」は1セットから注文できるところが限られているので、前提として競合が少ないです。あと弊社は商品を購入したあとの一歩先となる、豊かな生活のシーンを必ず載せるようにしているので、そこも決め手のひとつになっているのではないかと考えています。

ーーなるほど。ただプリント商品を届けるだけではないと。

藤堂:我々はその先の豊かな時間を売っていると考えています。これまで写真はメモリーとして残すものでしたが、現在は約6割の方がギフトパッケージを使っていることがアンケートの結果でわかりました。自分の子どもの入園・卒園、成人式、結婚式などさまざまな分岐点となるイベントごとで、親に「フォトブック」を贈るんです。

ギフトに富士フイルムの商材を使うのは、お客様からしたら当たり前のようにやってくださってることかもしれませんが、働いている私たちからすると意外と盲点だったんです。それからは、メモリーだけではなくギフト要素も取り入れて戦略を考えるようになりました。

|デジタルを用いて、お客様のDXを促進

ーーDX推進となるデジタルを活用したサービスの事例は何になりますでしょうか?

藤堂:「イヤーアルバム」という「フォトブック」のサービスがあります。これはAIがたくさんの写真の中から人間が“よい”と感じる画像を判別し、アルバムのレイアウト決めや写真の色味調整まで全て行ってくれるサービスです。忙しくて子どものアルバムを作れない親御さんの代わりに「フォトブック」を作ってくれるというのは、まさにお客様のDX推進だと思います。

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株式会社UNCOVER TRUTH 取締役 COO 小畑

ーーなるほど。DXをto C領域でも使われているんですね。

藤堂:我々は事業会社として競合他社と比較されていく中で、自社の独自性は何かを常に考えています。お客様が実は必要としているけど気づいていないものを、富士フイルムの独自性で提供するイノベーションはDXと関わりが強いと思います。

ーー顧客提供価値と同時に富士フイルムの価値も伝えていくということでしょうか。

藤堂:そうですね。「フォトブック」は、インターネットで検索すると競合他社がたくさん出てくるレッドオーシャンの領域です。実際に富士フイルムの「フォトブック」のページを訪れた方のデータを分析すると、他社と比較検討されていることが多いんですよね。そんな中でお客様から選ばれる存在になるには、やっぱり富士フイルムというブランドと独自性を出していくことが必要なんです。

ーー富士フイルムというブランドの中には品質担保も含まれていますもんね。

藤堂:はい。でも、ここで富士フイルムの技術を全面に出したところで、お客様は買わないんですよ。お客様は最新の技術や品質よりも、まずはソフトカバーとハードカバーが選べるということの方を求めているんです。もちろん品質も大事ですが、それは手にしたあとに、感動が生まれるものなんです。なので、お客様が本当に求めているものを汲み取ることが大事になりますね。

|何でもデジタルにすればいいとは限らない

ーー富士フイルムとしてはDX推進によって、お客様の思い出をいかに綺麗に残すかという部分が肝になるのでしょうか。

藤堂:個人の意見として、写真は色褪せてもいいんじゃないかと思ってるんです。100年経っても変わらない写真より、100年経って色褪せた写真の方がグッとくるのではないかと。

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ーーそう言われると、そうかもしれません。

藤堂:時間が経過するからこそ、写真の価値が増していくのではないかと思うんです。自分の両親の写真も古い色になっているからこそ、知らない世界を覗けるというか。なので、何でもデジタルにすれば良いという考えは持たないようにしています。私たちが提供しているものも、元々は道具というアナログなものなので。会社としては、色褪せない品質は常に提供していかなければならない大きな課題ですけどね笑

ーーなるほど。

藤堂:今はさまざまな場面でデジタルが使われていますが、根本にはアナログという生活基盤があるはずです。そこを見失って何でもデジタルにしてしまうと、本質がずれてくるのかなと思います。

ーー形あるものは色褪せるからこそ重みが出ることもありますもんね。そういった感動を届ける瞬間にデジタルをいかに活用するかが重要ですね。

|データは常に疑い、アップデートしていくことが必要

ーー実際にデジタルを用いた業務の効率化やDXの例はありますか?

藤堂:登録のあるメールアドレス全てに送っていたメルマガを、セグメント配信にすることで開封率や離脱率が大きく改善されました。これまではママじゃない方にもママさん向けのメールを送っていたのですが、きちんとマーケティングオートメーションを導入することの大事さを実感しました。

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ーー今の会員数はどれくらいなのでしょうか?

藤堂:今は120万人ほどです。ですが、3年前には約220万人いた会員数を、一度90万人まで減らしました。ECを運営してる立場からすれば会員数はできる限り大きい数字を言いたくなってしまいますが、大きい数字を提示したところで、その中でアクティブユーザーはどれくらいなのかという話になりますよね。そのために6年以上商品を購入していないお客様は一度登録から外させていただき、有効なお客様のみに絞り込みました。

ーー会員数よりその中のアクティブユーザーがどれくらいいるのかはよく着目されますが、それでも会員数を減らすというのは勇気のいる決断だったと思います。

藤堂:ECの離脱ポイントである会員登録やログインの部分が、今はSNSと連携が可能になって会員登録のハードルは下がったので、そこは潔くしてもいいかと思い、決断しました。

ーー一時的に数が減ったとしても、今後アクティブな人が登録してくれた方が良いですからね。

藤堂:ゲストやソーシャルログインで購入できるのは今の時代にマッチしている反面、こちらからは次のアクションが起こせないんです。お客様がメール配信をオンにしていればメルマガを送れるのですが、オフにされてしまったらそれまでですから。ただ、ゲストの中にリピートの方もいらっしゃることもわかってきたので、ゲスト対応にも力を入れたいと思っているところです。

それと同時に、登録してもらった会員データは更新していかないと意味がないんです。時間が経てば好きなものが変わったり子供が生まれたりと、環境の変化に伴って求めるものも変化しますよね。

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ーーたしかに。住所やメールアドレスの変更はお客様自身で注文時に変更してくれる可能性が高いですが、好きなものや家族構成などはなかなかアップデートされないですよね。

藤堂:そうなんです。サイト訪問時に簡単なアンケートを実施して、会員情報と連携させていくことが必要だと考えています。

ーーー

後編では、DX推進におけるデータの意外な落とし穴やDXを推進するにあたってのポイントについて伺いました。

▼▼後編はこちから▼▼



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